
春に味わいたい、旬のジビエ
春といえば、山菜や新玉ねぎ、菜の花といった旬の野菜が美味しくなる季節ですが、実はジビエ肉にも春ならではの「旬」があることをご存知でしょうか?
野生動物たちも冬を越え、春の訪れとともに活発に動き出します。山には新芽が芽吹き、草木が青々とし、野の恵みが満ちてくるこの季節、動物たちの食生活も変わってきます。たっぷりと栄養を蓄えた彼らの肉質は、冬とは異なる春特有の香りや脂のノリ、やわらかさを備えているのです。
また、この時期は全国各地で「有害鳥獣駆除」という名のもとに、シカやイノシシ、クマなどの個体数調整が行われるタイミングでもあります。
ジビエ料理人としては、ただ「駆除する」のではなく、その命をありがたく“美味しくいただく”という姿勢を忘れたくありません。
今回は、そんな春にこそ味わっていただきたいジビエ料理を、味や希少性、季節感を踏まえたおすすめベスト5としてランキング形式でご紹介します。
普段の食卓ではなかなか出会えない動物や、春だけの風味を楽しめるものばかり。
「いつか食べてみたかった!」と思えるようなラインナップを、ぜひお楽しみください。
「春に食べたい動物」ベスト5
5位 北海道トド

昔は北海道の春の風物詩とも呼ばれたトド猟です。
とても大きな漁業被害をもたらすトド、北海道沿岸で昔からトド猟が行われてきました。
現在では厳格な頭数制限のもと駆除対象とされており、その肉は極めて貴重です。
赤身で旨味が強く、クセの少ない部位を選べばとても美味しく、まさに「幻のジビエ」です。
4位 鹿

ニホンジカは、増えすぎると山林の樹皮や若木を食べしまい樹木が枯れてしまうため、山の環境を守る上でも最も個体数の調整が必要な動物です。
春は気温が上がりはじめ、肉質もやや柔らかくなる時期。シカ肉初心者にもおすすめです。
鹿肉は赤身が多くヘルシー。煮込み、ソテー、燻製など多彩な料理に向いています。
3位 キョン

房総半島を中心に生息する外来種のキョン。かわいらしい見た目とは裏腹に、増えすぎると農作物への被害も深刻です。
特に春から夏にかけて繁殖期を迎えるため、この時期の個体数調整が重要になります。
キョン肉は柔らかくクセが少ないので、ジビエ初心者にも最適。焼き物にもピッタリです。
2位 猪

春は雌の猪に脂がのる時期です。
厳しい冬を乗り越え、栄養を蓄えた春のイノシシ肉は、まさに旬のごちそうです。
柔らかくてジューシーな脂身と、赤身の濃厚な旨味がたまりません。
定番のぼたん鍋はもちろん、シンプルな塩焼きでもその美味しさが引き立ちます。
1位 熊

春は冬眠から目覚めた熊が、山菜や木の実を食べはじめる季節。
その行動範囲が広がる前に、安全確保のために春熊猟が行われます。
山菜や木のみをたっぷり食べた熊は独特な爽やかな風味のお肉になります。
まさにこの時季だけの贅沢な味です。
この季節だけの、命のごちそう
ひと口に「ジビエ」と言っても、動物ごとに肉質や香り、脂のノリ、料理法の相性まで大きく異なります。そしてその美味しさは、季節と深く結びついています。
今回ご紹介したジビエたちは、いずれも春という季節がもたらす特別な風味や背景を持っています。
どれも決して大量には出回らず、仕入れや処理にも手間がかかるため、どこでも食べられるというものではありません。
しかしだからこそ、春に山の恵みとして巡り合えたなら、ぜひそのひと皿にじっくりと向き合っていただきたいと思います。
口に運べば、山の香り、草の香り、春の空気が広がるような、野生の中にある繊細な味覚を感じていただけるはずです。
当店では、こうした春のジビエを大切に扱い、丁寧に調理し、お客様に一番美味しいタイミングでご提供しております。
気になったお肉があれば、ぜひお気軽にスタッフまでお尋ねください。
ジビエ料理店「あまからくまから」では、季節でご提供メニューが変わります🥩🌿
現在ご提供している料理は、各グルメサイトでご確認いただけます。
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