ジビエ料理 あまからくまから・東京

日本橋人形町と浅草にあるジビエレストラン

猪肉は美味しい?ジビエ料理店の店主が徹底解説

野生鳥獣のお肉(ジビエ)の中でも、鹿肉と並んで人気があるのが猪肉です。

農林水産省の調べによると、令和5年に捕獲された猪のうち、約3万9,918頭が食肉加工され、全国の飲食店や販売店に流通しています(※)。

あまからくまからでも、さっぱりとして食べやすい「ぼたん鍋」が大好評の猪肉。この記事では、その味の特徴や、おすすめの部位、人気料理について解説します。

農林水産省「令和7年版知って!楽しむ!ジビエ」p10

猪肉はどんな味?

猪肉というと、臭みやクセがあるイメージを抱く方が多いかもしれません。しかし、ベテランの猟師さんが解体した猪肉は、獣臭さがほとんどなく、ジビエ初心者の方にもおすすめのお肉です。

豚肉よりもコクや深みがある味わい

猪肉の味は、生物学上同じ種である豚とよく似ています。しかし、赤身はよりコクがあり、深みが感じられる味わいです。

猪肉の色合いは、年齢を重ねるにつれてピンクからワインレッドへと変化します。まだ若く、体が小さい猪は比較的淡白な風味ですが、成長した猪のお肉の味わいは濃厚です。年齢によって味が異なるのも、猪肉の特徴の一つです。

脂の融点が低く、口の中でとろける

猪肉ならではの魅力とされるのが、その脂身の風味です。猪肉は100g当たりの脂質が19.8gと、豚肉と同程度の脂肪分が含まれます(※)。

しかし、猪肉の脂は甘みがありながらも、さっぱりとした味わいです。くどさやしつこさがないため、脂身が多い部分も胃がもたれずに食べられます。

また猪肉の脂は融点が低く、加熱すると口の中でとろけるような食感になります。調理後にお肉が冷えても、脂が塊になることはありません。

農林水産省「令和7年版知って!楽しむ!ジビエ」p15

食べたものによって味が変わる

お肉の味は、餌として食べたものや、育った環境によって変化します。日本で人気のあるイベリコ豚も、スペインの広大な森の中で放牧され、どんぐりの実を食べて育った品種です。

猪肉も他のお肉同様、食べたものによって味や脂の乗り方が変わり、特に猪は雑食性のため、捕獲されるまでに何を食べたかが味わいに大きく影響します。

イベリコ豚と同様に、どんぐりを好んで食べた猪はお肉がナッツのような香りになり、やわらかくジューシーな肉質になります。また果物を食べて育った猪のお肉も、脂乗りが良く、フルーティーな味わいです。

餌となる果物の中でも、猪の大好物なのがみかんです。みかん畑がある地域で育った猪は、脂の色がうっすらと黄色がかり、赤身の色合いも薄くなります。

あまからくまからでも、みかんの産地・広島県の生口島で育った「みかん猪」を提供しています。たっぷりとみかんを食べた、フルーティーな猪肉をぜひお試しください。

焼いて食べるなら若猪がおすすめ

猪肉を焼いて食べる場合は、「どんこ」と呼ばれる猪肉で脂がのっているものをおすすめします。

どんことは、生後半年から1年までの仔猪を指し、肉質が非常にやわらかく、あっさりとした味わいが特徴です。美食家として知られる北大路魯山人も、「猪の肉を賞味するときは生後1年の仔猪にかぎる」として、どんこのおいしさを高く評価したとされています。

あまからくまからでは、猪肉を焼肉や炭火焼きで提供する際は、生体30kg前後の若い猪で脂がのっているものを仕入れています。
猪肉は年齢だけでなく、雄・雌でも肉質が異なるため、食べ比べてみると良いでしょう。

猪の美味しい季節は?

秋から冬の脂がたっぷりのった猪肉はやはりとてもジューシーで美味しく、あまからくまからでもこの季節のものが主流です。
しかしながら、みなさんに是非食べていただきたいのが春の雌猪。すごく脂がのっているのに、さっぱりとした味わいで、いくらでも食べれてしまいます。
冬のぼたん鍋には脂がたっぷりの100キロクラスの大きな個体を使いますが、春の雌猪の40キロ前後の個体の美味しさは格別です。春のご馳走といえるでしょう。
あまからくまからではこの春猪を炭火焼やしゃぶしゃぶで提供しております。

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猪肉の人気の部位

猪肉は農林水産省のガイドラインによって、食肉処理時の切り分け方(カットチャート)が定められています。そのため、牛肉や豚肉と同様にロースや肩ロース、モモ、バラ、カタ・ネックなどの豊富な部位が流通しており、それぞれ異なる味わいを楽しめます。

猪肉の中でも、特に人気のある部位を3つ紹介します。

  • ロース
  • バラ
  • モモ
ロース

ロースは、肩から背中にかけての部位です。肩ロース、背ロースなどの種類があります。

猪のロース肉は、肉質がやわらかく、臭みが少ないのが特徴です。特に冬の時期は、甘みのある脂がたっぷりと乗るため、高級部位として扱われます。

背ロースは、ステーキやすき焼き、鍋料理、カツレツなど、さまざまな調理法で楽しめます。肩ロースは赤身部分のきめが細かく、濃厚な味わいを楽しめるため、スライスしてソテーにするのもおすすめです。

バラ

バラは猪のお腹の部分、肋骨の周辺にある部位です。骨付きのバラ肉はスペアリブと呼ばれます。

猪のお肉は、バラの部分にもたっぷりと脂が乗っています。さっぱりとしながらも、濃厚なコクが感じられる脂の味わいは、角煮やシチューなどの煮込み料理にぴったりです。

ロース肉と比べると、バラ肉はやや歯ごたえがあるのが特徴です。食感を活かし、ハムやベーコンに加工するのも良いでしょう。

モモ

モモは、猪のお尻から太ももにかけての部位です。膝から先は、スネと呼ばれ区別されます。

モモ肉は、場所によって内モモ、外モモ、シンタマの3種類に分類できます。特に脂乗りが良いのは、モモの外側に位置する外モモです。冬場は肩ロースに匹敵するほど脂が乗ることから、外モモの肉をぼたん鍋として提供する場合もあります。

内モモも適度に脂が乗っており、程良いジューシーさも感じられる部位です。ステーキやローストなど、素材の旨味をそのまま活かして調理すると良いでしょう。

シンタマは脂身が少ないものの、肉質が非常にやわらかく、丸い形をしているため調理しやすいのが特徴です。からあげや煮込み料理、生姜焼き、メンチカツなど、さまざまな調理法で楽しめます。

猪肉を使った人気料理

猪肉は鹿肉と並んで、古くから食用とされてきたジビエです。肉食が禁忌とされた江戸時代には、「ぼたん」や「山くじら」などの隠語が使われ、日本各地で密かに食べられてきました。

定番料理のぼたん鍋から、赤ワインを使用した洋風煮込みまで、猪肉を使った人気料理を紹介します。

ぼたん鍋

ぼたん鍋は、丹波篠山市の郷土料理です。ぼたん鍋という名前の由来は諸説ありますが、「獅子(猪)に牡丹」という慣用句や、猪肉を煮込むと彩りがぼたんの花びらのように見えることから名付けられたとされています。

伝統的なぼたん鍋は、昆布やかつおで取っただし汁に合わせ味噌を加え、猪肉や野菜を入れて煮込んだものです。地域によっては、砂糖やみりん、酒を加えて味を整えたり、野菜の他にきのこ類を入れたりする場合もあります。

なお、岡山県の美作地域では、ぼたん鍋ではなく「しし鍋」と呼ばれています。あまからくまからでも、鰹・昆布・焼アゴの出汁に、国産の無農薬大豆で作った味噌を加えたぼたん鍋を提供しています。

みかんをたらふく食べて脂までみかん色に(笑)

洋風煮込み

猪肉は和食だけでなく、洋食にもよく合います。特にワインやブイヨンなどで猪肉を煮込んだ「洋風煮込み」は、ジビエ料理店でも人気のあるメニューです。

猪肉の洋風煮込みを作る場合は、赤ワインで煮込むのがおすすめです。赤ワインに含まれるタンニンの効果により、お肉の旨味を引き出せます。

煮込み料理なら、スネ肉などの筋が入った部位も使えます。ソースには、赤ワインと相性の良いトマトを加えると良いでしょう。

猪肉を使った絶品料理を食べてみたい方は、ぜひ「あまからくまから」にご来店ください。広島県の生口島から取り寄せた「みかん猪」や、肉質にこだわった個体を提供いたします。

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この記事の投稿者

あまからくまから 店主 林育夫
この記事を書いたのは、ジビエ料理の専門店を経営する有限会社ティナズダイニング 代表の林育夫(はやしいくお)です。

1987年から飲食業界に携わっており、1994年に独立し日本橋人形町に自分のお店を構えました。
2000年には法人化し有限会社ティナズダイニングを設立しました。

現在は、東京都内で、熊、鹿、猪、鳥などの新鮮なジビエ料理が楽しめる「あまからくまから」と、アイヌの伝統文化を体感しながらアイヌ料理を味わえる「ラムレンカイネ」を運営しています。

TBS「ラヴィット」やNHK「NHKスペシャル」などのテレビや、新聞「日刊スポーツ」、雑誌「おとなの週末」など多数のメディアでもご紹介いただいています。
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