ジビエ料理 あまからくまから・東京

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食べられる日本の野鳥図鑑!人気料理や注意点をジビエ専門店の店主が紹介

食べられる日本の野鳥図鑑!人気料理や注意点をジビエ専門店の店主が紹介

日本では古くから野鳥を食べる文化・習慣がありますが、特に近年はジビエブームを背景に、そのおいしさが改めて注目を集めています。
一方で、一般家庭ではなかなか野鳥を楽しむ機会が少ないため、「どのような味がするのだろう?」「安全に食べられるのか」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、食べられる日本の代表的な野鳥や、野鳥を使った人気料理、野鳥などのジビエ肉を食べるときの注意点について解説します。野鳥グルメやジビエ肉に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

食べられる日本の野鳥9選

食用に適した日本の野鳥は複数ありますが、ここでは主な野鳥を9種ピックアップしてご紹介します。

マガモ

食べられる野鳥の中でも特に絶品として人気が高いのがマガモです。ユーラシア大陸北部の森林地帯や、北アメリカなど広い地域に生息し、日本でも池や湖沼、河川、海上など各地で観測できるため、身近な野鳥として知られています。

オス・メスともに食用にされますが、特にその見た目から青首と呼ばれるオスの肉は赤身が濃く、味が濃厚であるため、重宝されています。一方、メスは筋繊維が細かく、まろやかな味わいが風味が特徴です。日本では冬鳥として知られていますが、食用の旬は年内までとされています。

カルガモ

カルガモは渡りを行わず、同じ場所に定住する留鳥の一種です。一年を通して日本に生息しているため、普段目にするカモのほとんどはカルガモと考えてよいでしょう。同じ場所で同じようなエサをとり続ける習性から、肉質には地域差が大きく出やすいのが特徴です。

例えば、穀物を主に食べている場合は脂がのりやすく、水辺でタニシなどを捕食している場合は、ややクセのある味わいになることがあります。マガモに近い味わいですが、酸味のある味付けと相性が良いといわれています。

キジ

キジは北海道と沖縄を除く全国各地に分布している国鳥です。雑食性で、穀類から野菜、みみずなどさまざまなものを好んで食べます。渡り鳥に比べると運動量が少ないため、肉質は柔らかめですが、しっかりとした歯ごたえも楽しめます。

脂肪分が少なく高タンパクで、味わい深い肉質はダイエット中の方や健康志向の方にも人気です。野菜と相性が良いため、一般的には鍋料理で親しまれますが、焼き鳥やオーブン焼きなどでもおいしく楽しめます。

キジバト

キジバトは日本で食用とされる代表的なハトです。国内で繁殖する留鳥で、体の色がキジのメスに似ていることからその名が付けられました。クセやにおいが少なく、ほどよい弾力とジューシーな味わいを楽しめるところが特徴です。脂肪分が少なく、加熱し過ぎるとパサつきやすいことから、低温でじっくり火を通す調理法がコツとされています。
しかしながらキジバトは、日本の法律で以下のように定められています。
販売禁止鳥獣(売ってはダメ): 鳥獣保護管理法施行規則(第24条)により、「キジバト」は販売が禁止される鳥獣に指定されています。
狩猟鳥獣(獲ってよし): 狩猟免許を持ち、猟期内であれば、1日10羽まで捕獲して自分で食べることは合法です。

ヒヨドリ

ヒヨドリは、その名前の通り「ヒーヨヒーヨ」という鳴き声が特徴的な野鳥です。かつては国外への渡りを行っていましたが、今は年中日本に住む留鳥となっています。ただし、秋になると北海道から本州や四国、九州などに渡るため、食用としては猟期初期に獲ったものよりも、終盤に獲ったものの方が重宝される傾向です。

また、ヒヨドリの脂の乗り方には地域差があり、栄養価の高いミカンを食べたヒヨドリは脂の乗りが早くなるといわれていて、内臓までみかんの香りがして絶品です。おすすめの調理法は炙り焼きで、甘味のある肉汁を堪能できます。

スズメ

スズメは狩猟できる野鳥の中で最も小さい部類の鳥で全国各地に生息しています。住宅街などでもよく見かけることから、日本人にとってなじみ深い鳥でしょう。

かつては食用とされていましたが、より安価な鶏肉が普及したことと、スズメの捕獲数の減少により、丸焼きにすると骨まで食べることが可能で、カリカリとした食感とコクのある風味を楽しめます。
しかしながら現在は販売禁止鳥獣に指定されています(鳥獣保護法第24条)ので、海外からの輸入以外流通していません。

蝦夷雷鳥

蝦夷雷鳥は、平地から高山帯に生息する留鳥の一種です。
日本では北海道のみに生息しており、かつ一年を通してほぼ同じ地域で暮らしているため、本土ではあまりなじみがない鳥と言えます。
「雷鳥」というと天然記念物に指定されている白い雷鳥をイメージされる方も多いと思いますが、蝦夷雷鳥は体に茶色、白色、黄土色のまだら模様があり、目の上に赤い肉冠があるのが特徴で、白い雷鳥とは全くの別種です。
雷鳥は天然記念物ゆえに狩猟が禁じられていますが、蝦夷雷鳥は北海道にて昔から食用として狩猟されてきた歴史があり、現在も1日あたり2羽という制限を守れば狩猟は可能となっています。
しかしながら販売禁止鳥獣(売ってはダメ): 鳥獣保護管理法施行規則(第24条)により、「蝦夷雷鳥」は販売が禁止される鳥獣に指定されています。
旨みは七面鳥よりも強く、皮下脂肪が少ないのにジューシーな味わいを堪能できます。

カラス

カラスは野鳥の中でも、特に人間と関わりの深い存在です。
そのため、雀と同じく「食用」というイメージが湧きにくい方も多いと思いますが、近年になってジビエ肉として注目を集め始めています。
実はカラスを食用とする文化自体は昔からあるのですが、肉が黒っぽいことや、クセのある匂いがすることから、カラス=美味しくないという説が広がってしまいました。
しかし、きちんと処理すれば臭みがなくなり、美味しく食べられるようになります。
脂の乗りが少ないぶん、揚げ焼きのように油を多めに使う料理との相性が良いようです。

ヤマドリ

ヤマドリとは、キジ目キジ科の留鳥の一種です。同じキジ科であるキジと見た目が似ているため、かつてはヤマキジと呼ばれることもありました。
世界中でも日本にしか生息していない特産種で、本州から四国、九州の山地にある森林に分布しています。
狩猟対象であるオスはメスよりも体が大きく、求愛や威嚇の際は翼を激しくはばたかせてドドドドッという羽音を立てるという特徴があります。
1日あたり2羽でオスのみという制限があります。
「ヤマドリ」は販売が禁止される鳥獣に指定されています。
肉質はニワトリよりも締まっていて、よく噛むほど旨みがじんわりと旨みが出てきます。
ガラで取った出汁は他の食材の味わいを引き立てるため、鍋料理にもおすすめです。

野鳥を使った人気料理

野鳥は臭みやクセの少ないものが多いため、さまざまな方法で調理できます。
ここでは、野鳥を使った料理の中でも特に人気のあるものを3つご紹介します。

鍋料理

野鳥のガラ(骨)からは旨みたっぷりのいい出汁が取れるため、野菜と一緒に煮込む鍋料理は定番の楽しみ方の一つです。

例えばカモ肉やキジ肉を使った水炊きでは、野鳥特有の濃厚な出汁と野菜の風味がよく合い、滋味あふれる味わいを堪能できます。また、鍋料理はヘルシーで、野鳥は高タンパク・低脂肪な種も多いことから、健康食としても注目されています。

炭火焼き・ロースト

野鳥の肉そのものの味を楽しみたい場合は、炭火焼きやローストとして食べるのがおすすめです。下ごしらえした野鳥の肉に塩をふり、グリルやオーブンで焼くだけのシンプルな工程なので、肉本来の質感や味わいをそのまま堪能できます。体の小さな野鳥なら、じっくり火を通すことで骨や頭まで丸ごと食べられるのも魅力です。

炊き込みご飯

野鳥の肉やガラから取った出汁を利用した炊き込みご飯も人気です。毛をむしり内臓を取り出した野鳥を湯通しした後、丸ごと炊きあげる調理法で、特にヒヨドリをおいしく食べる方法として知られています。鍋料理や炙り焼きとは異なるユニークなメニューを食べたいと考えている方におすすめのメニューです。

野鳥などのジビエを食べるときの注意点

自然で育った野鳥は、飼料や健康状態がしっかり管理されている家畜とは生育環境が大きく異なるため、体内に病原体を保有している可能性があります。
安全に野鳥などのジビエ肉を楽しみたいときは、以下の点に注意しましょう。

中心部までしっかり火を通す

野生鳥獣の肉や内臓は、たとえ新鮮であってもウイルスや細菌、寄生虫などに感染しているリスクがあります。具体的なリスクとしては、E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌(O157など)、旋毛虫などです。

これらにおかされた肉や内臓を食べると食中毒を引き起こし、最悪の場合は命に関わることもあります。そのため、ジビエ肉を食べるときは中心部までしっかり火を通すことが大切です。

仕留め方に注意

野生鳥獣は銃器を用いて仕留めるケースが多いですが、散弾銃で狙撃された個体は体内に散弾が留まっている可能性が高いため、食用からは除外するのが基本です。そのため、一般的にはスラッグ弾(一発弾)やライフル弾が用いられますが、個人から譲られた肉を利用する場合、散弾で仕留めていないかをあらかじめ確認した方が良いでしょう。

また、散弾でなくても腹部に被弾した個体を食用にするのは控えた方が無難です。消化器官の内容物に病原菌が含まれていた場合、食用部分が汚染されて食中毒のリスクが高まる恐れがあります。

捕獲には免許が必要

野鳥を捕獲するには、狩猟免許を取得するか、環境大臣または都道府県知事の許可を得ることが必要です。無免許・無許可で野鳥を捕獲した場合、鳥獣保護管理法違反となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。適切な免許・許可を取得すれば個人でもジビエ肉を楽しめますが、前述したように野生鳥獣の肉の扱いにはリスクがあります。

おいしく、安全にジビエ肉を楽しみたいのなら、ジビエ肉専門店で提供される料理を食べにいくこともおすすめです。東京・日本橋人形町と浅草にあるジビエレストラン「あまからくまから」では、初めてジビエを食べる方でも楽しめるおいしいメニューを取りそろえています。旬のジビエはもちろん、季節外れの肉もおいしく味わえる工夫をこらしているため、一年通して上質な料理を堪能していただけます。

「野鳥やジビエ肉を安全に楽しみたい」という方は、ぜひあまからくまからへお越しください。

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この記事の投稿者

あまからくまから 店主 林育夫
この記事を書いたのは、ジビエ料理の専門店を経営する有限会社ティナズダイニング 代表の林育夫(はやしいくお)です。

1987年から飲食業界に携わっており、1994年に独立し日本橋人形町に自分のお店を構えました。
2000年には法人化し有限会社ティナズダイニングを設立しました。

現在は、東京都内で、熊、鹿、猪、鳥などの新鮮なジビエ料理が楽しめる「あまからくまから」と、アイヌの伝統文化を体感しながらアイヌ料理を味わえる「ラムレンカイネ」を運営しています。

TBS「ラヴィット」やNHK「NHKスペシャル」などのテレビや、新聞「日刊スポーツ」、雑誌「おとなの週末」など多数のメディアでもご紹介いただいています。
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