
江戸時代にもジビエ料理が親しまれていたことを知っていますか?
江戸時代の日本では、肉を食べることは宗教的な理由から表向きは控えられていました。
でも実際には、「薬喰い」として元気をつけるために、庶民も武士もひそかに動物の肉を食べていました。
今回は、江戸時代の日本人が好んで食べていた動物の肉(ジビエ)を、分かりやすく解説します。
江戸時代の肉食文化
江戸時代の日本では仏教や幕府の決まりで、肉を食べることはよくないとされていました。
しかし実際には、健康のための「薬」としてひそかに食べることがありました。
肉食が禁じられていたため、動物の肉を食べる時には、「鹿肉をもみじ」、「猪肉をぼたんや山くじら」など、植物や魚など別のものに例えた「隠語」を使ってこっそり楽しんでいました。
特に山が多い地域では、狩りが日常的に行われていて、動物の肉を料理する文化が広まりました。
江戸時代の日本人が食べていた動物
ここでは実際に江戸時代に実際に食されていた動物を詳しく紹介します。
1. 鹿肉(シカ)

鹿は紅葉した葉っぱの色に似ていることから「もみじ」という隠語で呼ばれていました。
鹿肉は臭みが少なく、あっさりした味わいが特徴です。
タンパク質が豊富で脂肪が少ないため、江戸時代の人々に好まれていました。
当時は醤油や味噌に漬け込んだ「鹿肉の味噌漬け」や、ねぎや根菜と煮込む「紅葉鍋」が人気だったそうです。
あまからくまからで人気の鹿料理

2. 猪肉(イノシシ)

猪肉は「ぼたん」や「山くじら」とも呼ばれました。
「山くじら」という名前は、海のクジラに似た美味しさがあるという意味で使われました。
猪肉は脂が甘く、栄養が非常に豊富でした。
江戸時代の人々は、味噌で煮込んだ汁に薄く切った猪肉と野菜を並べた「ぼたん鍋」を食べていたそうです。
あまからくまからで人気の猪料理

3. 穴熊肉(アナグマ)

穴熊が掘った穴をタヌキなども利用することがあるため、「狢(むじな)」と呼ばれていました。
この習性が「同じ穴のムジナ」ということわざの由来とされています。
穴熊肉は脂身が甘くて濃厚な味わいが特徴です。
穴熊の肉は大根やごぼうと一緒に煮込まれ、体を温める料理として冬に人気でした。
また、滋養強壮の効果があると信じられており、病気の際の薬として用いられました。
あまからくまからで人気の穴熊料理

4. 鴨肉(カモ)

鴨肉は柔らかくてジューシーな肉質が特徴で、江戸時代には鴨のすき焼きや鴨鍋、鴨南蛮そば、焼き料理などが人気でした。鴨南蛮そばは、現代にも残る鴨料理です。
鴨は武士や裕福な庶民が鷹狩で捕獲し、比較的オープンに食べられていたそうです。
あまからくまからで人気の鴨料理

5. 熊肉(クマ)

熊肉は脂肪が多く濃厚で独特な味わいがあり、江戸時代には山間部を中心に滋養強壮の薬として食べられていました。
鍋料理や燻製にして好まれていたそうです。
熊肉もまた猪肉と同様に「山くじら」と隠語で呼ばれることがありました。
あまからくまからで人気の熊料理

江戸時代の人々の楽しみ方
江戸時代には「薬喰い」として、特に寒い冬に鍋料理を囲んで動物の肉を楽しみました。
江戸には「ももんじ屋」という、動物の肉を専門に扱う店があり、隠語を使った看板を出して人気を集めました。
肉料理を囲んで人々が集まり、食べる楽しさだけでなく、コミュニケーションの場としても重要でした。
昔の日本人がひそかに楽しんだジビエ
江戸時代、日本人はひそかにジビエ肉を楽しんでいました。
隠語を使いながら、禁止されていた肉食を工夫して楽しんだのです。
現代でもジビエ料理は健康的な食事として再び注目され、地域の特産品となっています。
江戸時代の食文化を知ることは、昔の日本人が自然とどう共存してきたかを理解するための良いきっかけになります。
江戸時代の食文化を知ったあとは、実際にジビエ料理を味わってみませんか?
ジビエ料理店「あまからくまから」では、今回ご紹介した動物のジビエ料理を提供しています。
ぜひ、江戸時代から伝わる食文化の味を感じてみてください。
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